この記事では、社会人一年目で811万円もの借金(奨学金)を背負い、前倒しして完済した私の体験談を紹介します。
本記事は、これから奨学金を借りるべきか決められない、奨学金を借りながら大学に通っているが将来が不安、と悩んでいる方に参考にしていただけたら幸いです。
奨学金返済811万円!完済した体験談【意味はあったか、後悔はないか】
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用し、
大学・大学院の合わせて6年間で、返還(返済)総額は、「811.2万円(元金)」になりました。
内訳は下記の通りです。
・第2種: 480万円
・第2種: 120万円
・第1種: 211.2万円 (利子なし)
これで、月々 約3.7万円の返済額になります。
(奨学金は自己投資とも言えますが、さすがにギャンブラーですね(笑)これから奨学金利用を考えている方に強調していいたいのは、可能な限り貸与型の奨学金は避けて、奨学金を借りないでも済む手段を探すか、給付型の奨学金をもらえる努力をすべきです)
最大240回払いでの返済でしたが、繰り上げ返還をしたため、早めに完済しています。
私はこの奨学金を使って大学に通い、
「専門分野の知識・スキル」
「化学全般の知識」
「薬剤師免許(仕事にはつかってません)」
を得ました。
現在は、その専門性を活かした職業に就き収入を得ているので、奨学金に意味はあったと思っていますし、無事完済することもできたので後悔は特にありません。
過去の頑張っている自分に対して「ごくろうさん!これでまた頑張れよ」と言って、仕送りをしている気分で返済していました。
強いて言うなら、奨学金(借金)を背負っていない同期・同僚に対してちょっと羨ましいなと新入社員の頃は思うこともありましたが、
自分の人生を他人と比べても仕方ないので、自分は自分で決めたこと(自分への投資)をやり遂げたという一つの成功体験として自信に繋げています。
但し、奨学金を借りることを勧めるわけではありません。
親から仕送りをもらえるならそれに頼ればいいし、大学に興味がないなら奨学金を借りてまで行く必要はないと思います。
最後の最後まで奨学金を本当に借りるべきかを考え抜き、返すためには何が必要なのかを見極めたうえで、最後は自分で決断しないと、奨学金を借りたことで不幸になり後悔することになると思います。
借りた理由は?
事前に親から仕送りをもらえることを確認して、進学を決断したのですが、大学合格後、入学直前に親の収入が激減してしまい、仕送りゼロということになりました。
奨学金を借りてそのまま進学を進めるか、就職をするかの選択を迫られ、化学に対する知的好奇心を捨てきれず進学をする決断をしました。
アルバイトについては、家庭教師などを細々としていましたが、月1-2万円程度の収入でした。
もともと器用ではなく、自分が、アルバイトと勉強を両立できるタイプでは無いことは明確だったので、アルバイトは少なめにしていました。
仕送りゼロ、アルバイト少なめ、の状態で学費・家賃・生活費を支払う必要があったため、多めに奨学金を借りることになりました。
どーやって返済した?
①特に優れた業績による返還免除:105.6万円 (第1種の半額免除)
②専門性を活かした職業での収入(サラリーマン):残り
もともと化学に対して知的好奇心が強かったことと、自己責任で奨学金を借り、大学に進学した意識もあったので、勉強はかなりしていた自信があります。
大学では専門性が認められ、「①特に優れた業績による返還免除」という制度により105.6万円を返済することができました。
残り分については、卒業後に専門職に就き、そこからの収入で無理なく返済することができました。
奨学金の返還免除は、当然、初心者の私が取り組んだ研究に関わっていただいた方々のおかげの部分が非常に大きいですが、ある意味では、初めて自分の専門性で稼いだお金(2年分の家賃に相当!)、だったため決まった時は感動した記憶があります。
返済できたポイントは?
あたりまえですが、就職してサラリーマンとしての収入源を得たことが返済できた理由です。
就職できなかったらかなり厳しかったと思いますし、今振り返るとものすごいギャンブルだった面もあり、たまに就職失敗ルートを想像してゾッとします。
ただ、私が就職活動をした時代は、コロナ前アベノミクス下の売り手市場ではなく、いわゆる氷河期に近いような状態でかなり厳しかったのですが、大学で身に着けた専門性をアピールすることができたので内定をもらうことができたと思っています。
現在、コロナの影響で企業が新卒人数を減らして、再び氷河期が来ることも考えられます。
そんな時代でも、「自信をもってアピールできる専門性があること」は、内定獲得に有利にはたらくと思いますので、ここでは私が大学で専門性を高められたポイントを紹介します。
・集中して取り組む専門分野を早めに決めたこと
大学1年の夏頃には、「自分はコレを徹底的に勉強して、この研究室で研究をする」と決めていました。
就職先については、就職活動中に調べて決めればよいと思いますが、どんな専門性を身に着けるか、については早めに決めたほうが良いです。
大学入試等の参考書とは違い、専門書だったり専門的な論文を読みこなすにはそれなりに時間がかかり、特に専門書・論文を読むための土台づくりに時間がかかります。
卒業までに専門分野で結果を出すためには、大学1~2年のうちにその土台をつくっておく必要があるため、どんな専門性を身に着けるかを早めに決めることが重要です。
・アルバイトを抑え、専門分野の勉強に集中したこと
アルバイトに注力していたら専門性を身に着けることに確実に失敗していました。
勉強とアルバイトを両立できる器用な方もいると思いますが、どちらかが失敗するリスクが高まります。
とはいえ、就職先によっては、アルバイトなどの実務経験が重要になる分野もあると思います。
大事なのは、コレと決めたことをやり切るために、その他については可能な限り切り捨てる、という意識が重要ということです。
あれもこれもでは、失敗するリスクが高まります。
取捨選択が大切。
・本をたくさん読んだこと
専門以外の一般書についてもたくさん本を読みました。
わずかなアルバイト代は本につかうことが多かったです。
といってもお金があまりなかったため、図書館の利用やブックオフの中古本がほとんどでしたが、年間50~60冊程度のビジネス・ハウツー・自己啓発・エッセイ・小説等の一般書を読みました。
「専門書」を読むだけでは、実は専門性は深められなかったりもします。
他の分野で実績をあげた人がどのようなメンタリティで過ごしてきたのか、など一般書では専門書を読んだだけでは得られない学びがあり、それを自分の専門分野に活かすこともできます。
専門的な勉強をしていくと「普通の人が知らないことをたくさん知ってる自分すげぇ」になってしまい見失いがちなのですが、
大学で勉強している学生は所詮20歳前後の人生経験の少ないヒヨッコです。
その人生経験の少なさに気づくきっかけになり、わずかではありますが補えるのが読書です。
本を選ぶコツは、シンプルに名著と呼ばれている長年のベストセラーを選ぶ、または実際に実績のある方が書いた本を選ぶ、です。
これらをいくつか読むと、その本の中で別の本が紹介されていたり、関連本が見つかったりするので、連鎖的に次に読む本が見つかり、知識を広げることができます。
おすすめの本、勉強法
学生時代に読んだ本の中で、良い影響を受け、本ってすげぁなと思うきっかけになった本を紹介します。
・自助論
生まれ持った才能ではなく、「勤勉」という習慣を身に着けて、夢・目標を達成するための秘訣が紹介されています。
大学で勉強していると、「こんな努力しても無駄だ」という悪魔のささやきが、自分の内側からも、周りの他人からも聞こえてくることがあります。
若いうちは特に、この悪魔のささやきに負けやすいです。
この本で、勤勉の大切さを学び、自分が継続している努力を大切にできるようになります。
個人的には「脱力系」を装い「努力してないけど結果は出す」というキャラ作りをしているヤツはかなり要注意人物だと思っています(学年に1人はいますよね)。
むやみに努力アピールをする必要はありませんが、いわゆる脱力系デキるヤツの「努力してないアピール(地頭がいいアピール)」の影響を受けて、努力をやめてしまうことがないように気をつけましょう。
Amazon Kindle Unlimitedで読むのもアリ!(執筆時点では自助論 Kindle版が読めるようです)。
無料体験がオススメ!
・「原因」と「結果」の法則
「思い」が原因となって、「環境」という結果を生むという、人生の原理原則が書かれています。
多額の奨学金を借りていると、将来への不安ばかり考えてしまいがちですが、その「思い」は良い結果を導きません。
私が、将来の自分に対して希望をもって努力することができるようになった一冊です。
・セルフトーク・マネジメントのすすめ
ここで紹介している本の中では、知名度は低いですが、
個人的には、隠れた名著と思ってます。
セルフトーク(心の中の独り言)をコントロールすることで、成果を上げる方法論が紹介されています。
私はこの本で紹介されている方法論を、「学会での発表」や「就職活動での面接試験」の際に活用することで、学会で賞をもらうことができ、面接にも合格することができました。
・人を動かす
あなたが努力していることをバカにしてくる人が、あなたの目の前にいます。
その人に反論し、議論することがいかに無駄であるかが分かる本です。
相手は、あなたの人生よりも、自分の歯痛のほうが興味がある。
そんな人の意見に、あなたが決めた生き方を変えられてはダメですよね。
また、そんな批判的な嫌なやつになっても仕方ないでしょってことも学んで、他人の協力が必要なときはどう相手に接したらよいのかのヒントが得られます。
・非常識な成功法則
「悪のエネルギー(負の感情)」を否定せず、目標達成に活かすという逆転の発想。
多額の奨学金を借り、負の感情がモグラたたきのように湧いてきていた私には、最適でした(笑)
めぐまれない環境に対する怒りや不安は、どんなに前向きに捉えようとしても消し去ることはできないかもしれません。
そんなときは、その感情をエネルギー源として、絶対に自分の力で変えてやるという気持ちにエネルギー変換して、努力しまくりましょう。
おすすめの勉強法
学生時代の私はただひたすら図書館で専門書を読んで勉強していましたが、
今、学生に戻るとしたら他の記事で紹介している「自炊本勉強法」を絶対に取り入れます。
勉強に王道はなく、特に、専門性を身に着けるには疑問に思ったことを納得いくまで徹底的に調べる態度が大事ですが、大学生活では試験で点数を取り単位を取得することも大事なので「自炊本勉強法」はそれにかなり役立つと思います。
興味ある方は、下記の記事を参照いただけたらと思います。
自炊(電子書籍化)は受験勉強に活用できるのか【結論:できる!】
自炊本活用におすすめiPadアプリ5選【読む→書き込む→覚える→メモる】
まとめ
いかかでしたか?
本記事が少しでも、多額の奨学金を借りるべきか迷っている方、奨学金を借りて大学に通い将来に不安を抱えている方のヒントになれば幸いです。
以下、奨学金を借りて大学に通う方への学生生活アドバイスです。
・奨学金は自分への投資。借りると決めたのであれば、大学で確実に専門性を身に着けよう。
・早めに専門分野を決めよう。
・大学でコレを学ぶ、と決めたら(他を捨てる覚悟で)集中して努力しよう。
・本をたくさん読んで、視野を広げよう。
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